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日本の離島 ISLAND


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2003年3月、鹿児島県屋久島。千年から生きる杉を見たかった。森自体の生命力に圧倒された。倒れた樹木は苔むし新たな生命の礎になり次世代の木が、森が育つ倒木更新。森は木々から吐き出される湿気を纏い、得体の知れない神々しさがある。古代より自然や山は神仏や祖霊が在す世界であると畏怖されていた。理屈ではなく、自分の五感を通して実際の感性が自然を通して養われていくようだ。雨水を蓄えた土から湧き出る芳醇な水を口に含むと体にしみ込んでいく。麓の集落は花が咲き誇り、山から流れ出る美しい水を利用し米や農作物を育てる。さらに水は山の養分を海に流し込み豊かな漁場の恩恵を島民は得る。自然には人間には創り出すことができないモノやコトが沸き上がっている。千年から生きる森より、人間の原初の営みを垣間みる。しかし、空き缶やタバコの吸い殻が転がっている。視線の先、空き地に家電や自動車などの廃棄物がある。自分自身、文明の恩恵を受け経済原理の物質社会に生きていることも意識した。何に価値を見いだすのか。海に囲まれた日本列島に点在する離島を巡ることで人間が生きること、本当の豊かさを見ることができるのではないかと思った。
以来、日本周辺の離島を巡る旅をはじめた。
2005年8月、日本の離島最西端の沖縄県与那国島。年に数回、水平線上に台湾の山が見える。海上には自衛隊艦船が停泊している。普段、意識しない国境を感じることができる。周遊すると固有種であるヨナグニウマが舗装道路を闊歩している。沖縄特有の亀甲墓が海に向かって建っている。豊穣や生命の源泉、先祖の魂が遥か遠い海の彼方に異界があるニライカナイの信仰がある。海からの風は次第に強くなり波頭も高い。台風が近づいているようだ。船は欠航し、雨風が強くなっていく。直撃は免れるようだが生まれて間のない力強い台風は偏西風にのり猛烈な勢い。停電になり、宿の主人から「自然には勝てないから。これも旅の醍醐味でしょ。」と、ろうそくと泡盛をいただいた。
2003年12月。1993年の地震で起きた津波被害、大規模な火災があった奥尻島、青苗地区へ。津波で破壊された街は、新しい建物が建ち並んでいる。海岸沿いにある巨大な堤防が海と陸地を遮断している。集落には避難経路が整備されていた。
2011年3月11日、東日本に甚大な被害が起きた震災。その報道のなかで「想定外」という言葉を繰り返し聞いた。もともと自然とは人間にとって想定外のものではなかったのか。もどかしい気持ちで日々更新される被害状況を追っていた。被災者の気持ちになれないが、現地に行くことで被災地との距離は縮まるだろうと思い、宮城県浦戸諸島へ向かった。津波の破壊力を目の当たりにし言葉が見当たらない。人の造ったものは破壊され流された。瓦礫の山を島民と撤去した。「壊滅的な状況だけど、この風景は昔の島の地形を思い出す。」と言われた。
希望と絶望を引き受けて生きる姿にふれ、震災後この時代をいかに生きるか。次世代に何を引き継ぐのか。今後も島を巡ることで得た光を、焼き付けていきたい。


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